【簡単解説】アパート売却の「流れ」や必要な「書類」ついて カテゴリー:アパート売却の知恵袋 公開日:2026年2月25日 本記事は、アパート売却の準備から引き渡し、その後の確定申告までの流れを7つのステップにわけ、時系列に沿ってできる限り簡潔に解説しています。 目次1 1.【全体像】アパート売却の流れとかかる期間1.1 【ステップ①】売却の準備をする1.1.1 必要書類を準備する1.1.2 相場を把握する1.1.3 売却理由や希望条件を整理する1.2 【ステップ②】不動産会社の選定と査定の依頼をする1.2.1 不動産会社の選定する1.2.2 不動産会社に査定(机上・訪問)を依頼する1.3 【ステップ③】媒介契約を締結する1.3.1 媒介契約書の内容を確認し、署名・捺印をする1.4 【ステップ④】売却活動と条件のすり合わせをする1.4.1 現地確認(内覧)の立ち会いを行う1.4.2 条件のすり合わせを行う1.5 【ステップ⑤】売買契約を締結する1.5.1 重要事項説明への立ち会い(内容確認)と署名・捺印を行う1.5.2 売買契約書への署名・捺印と手付金の受領~仲介手数料の半金を支払う1.6 【ステップ⑥】決済・引き渡しを完了する1.6.1 残金代の受領~鍵・書類の引き渡し1.7 【ステップ⑦】確定申告をする1.7.1 譲渡所得の計算~申告書を提出する 1.【全体像】アパート売却の流れとかかる期間 アパート売却には、準備から引き渡しまで大きく7つのステップにわけられます。すべて完了するまで、一般的に6ヶ月~1年程度の期間を要します。 <図 アパート売却の流れと期間> 〈各7つのステップで売主様がやること一覧〉 【ステップ1】 売却の準備をする 必要書類を準備する 相場を把握する 売却理由や希望条件を整理する 【ステップ2】 不動産会社の選定と査定の依頼をする 不動産会社を選定する 不動産会社に査定(机上・訪問)を依頼する 【ステップ3】 媒介契約を締結する 媒介契約書の内容を確認し、署名・捺印をする 【ステップ4】 売却活動と条件のすり合わせをする 現地確認(内覧)の立ち会いを行う 条件のすり合わせを行う 【ステップ5】 売買契約を締結する 重要事項説明への立ち会い(内容確認)と署名・捺印を行う 売買契約書への署名・捺印と手付金の受領を行う 仲介手数料の半金を支払う 【ステップ6】 決済・引き渡しを完了する 残代金の受領を行う 固定資産税・家賃の精算をする 所有権移転登記をする 鍵・書類の引き渡しを行う 【ステップ7】 確定申告をする 利益(譲渡所得)の計算をする 必要書類を準備する 申告書を提出する 売却までの期間は立地や物件の状態などの要因により左右されます。 首都圏人気エリアであれば買い手がつきやすく、4~8ヵ月で売却できるのに対し、地方や人口減少地は1年以上かかるケースもあります。 「アパートを売却する2種類の方法」について解説を見る 売却には下記2種類の方法があります。 【アパートを売却する2種類の方法】 仲介 不動産会社に依頼をし、買主を探してもらう方法 売却完了まで時間はかかるものの、相場に近い価格で売却しやすい 価格重視の人におすすめ 買取 不動産会社に物件を買い取ってもらう方法 数週間で現金化が可能だが、売却価格は相場より低くなりやすい スピード重視の人におすすめ ここでは、不動産会社に「仲介」を依頼する方法で、一般的な売却期間6ヵ月~1年を軸に、流れに沿ってひとつずつ解説します。 「「仲介」と「買取」の違い」や「売却にかかる費用」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 関連記事 アパート売却・買取の査定方法 アパートなど収益物件の売却に掛かる経費を削減する方法 選択して下さい 一棟 アパート・マンション・ビル 投資用区分マンション 分譲マンション 戸建 土地 【ステップ①】売却の準備をする 売主様がやること 目安期間 必要書類を準備する 相場を把握する 売却理由や希望条件を整理する 1~2週間 査定に必要な書類の整理と、売却予定の物件の相場を調べておきます。 あわせて、売却理由や希望条件を整理しておくと今後のスケジュールを立てやすくなります。 「必要書類を準備する」ことについて解説を見る 必要書類を準備する 正確な査定を受けるために、以下の書類を準備します。 必要書類 【建物・土地に関する書類】 登記簿謄本 公図 土地・建物の図面、測量図 修繕・リフォーム履歴に関する書類 固定資産税・都市計画税の納税通知書 【賃貸管理・収益に関する書類】 賃貸借契約書(入居者全員分) レントロール(現在の賃料、共益費、敷金などの賃貸条件の一覧) 【その他書類】 本人確認書類 印鑑証明書、実印 ローン残高証明書 アパートのような収益物件の場合、買主は収益性がある物件かどうかを重視します。 その際、特に参考になる書類が「レントロール」です。 現時点での収益がどれくらいなのか把握できるため、「レントロール」の情報により収益性が見込める場合、早期売却も可能になります。 「アパート売却の前に確認しておくこと」、「アパート売却を成功させるためのコツ」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 関連記事 アパートの売却はどうすればいい?タイミングや流れ、注意点を解説 アパート売却を「成功」させる8つのコツ|より高く売却するためのタイミングや早期売却を目指せる方法等を紹介 「相場を把握する」ことについて解説を見る 相場を把握する アパートの売却前に、近隣アパートの売却相場を調べておきます。 国土交通省が提供する「不動産ライブラリ」などで、相場を調べることができます。 相場を知ることで、不動産会社から提示された査定額が適切かどうかを判断でき、安売りしてしまうリスクを防ぐことが可能です。 「アパート売却相場の調べ方」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 関連記事 アパート売却の相場はいくらか?調べ方や高く売るためのポイントを紹介 「売却理由や希望条件を整理する」ことについて解説を見る 売却理由や希望条件を整理する 売却活動が始まった後、買主からの質問に答えられるよう、売却理由を整理しておきます。 また、 いつまでに売却を希望しているか どれくらいの価格での売却を希望しているか など ある程度の目安を立てておくと、不動産会社との話し合いもスムーズにいき、今後のスケジュールを立てやすくなります。 【ステップ②】不動産会社の選定と査定の依頼をする 売主様がやること 目安期間 不動産会社を選定する 不動産会社に査定(机上・訪問)を依頼する 1~2週間 ポイント 「投資物件(収益物件)」の販売に強い不動産会社を選ぶこと 複数の不動産会社に査定を依頼し、比較検討すること 準備した書類をもとに、不動産会社へ査定を依頼します。 査定の前に、まずどの不動産会社に依頼をするか、選定作業を行います。 「不動産会社を選定する」ポイントについて解説を見る 不動産会社の選定する 不動産会社を選定するポイントは下記のとおりです。 不動産会社を選ぶ4つのポイント 積極的にアパートの販売活動を行っているかどうか 売却予定の物件があるエリアの情報(賃貸需要など)に精通しているかどうか 「売却価格・流れ」に関する説明がきちんとあるかどうか 担当者の人柄はいいかどうか アパートは収益性があるかどうか重視される「投資物件(収益物件)」です。 加えて、スムーズな売却を行うためには、 投資家へのアプローチがきちんとできるか 賃貸需要を理解し、利回りやキャッシュフローをきちんと算出できるか 適正な売却価格を算出できるか トラブルリスクを下げられるか など、「投資物件」ならではの目線で物件を査定できる不動産会社を選ぶのが大切です。 「不動産会社の選び方」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 関連記事 アパートなど収益物件の売却は専門業者へ任せるのが一番! 「不動産会社に査定(机上・訪問)を依頼する」ことについて解説を見る 不動産会社に査定(机上・訪問)を依頼する 査定には、手軽にできる「机上査定」と、より精緻な「訪問査定」の2段階があります。 【机上査定と訪問査定の違い】 机上査定 訪問査定 査定方法 不動産の立地や間取りなど、書類をもとに査定する方法 担当者が物件を訪問し、物件の状態や周辺環境などの情報を加味して査定する方法 査定結果が出るまでの日数 1~3日 2~3日 ※最大1週間 向いている人 おおよその売却価格を知りたい人 正確な売却価格を知りたい人 査定結果が出るまで時間はかかりますが、本格的に売却を検討している場合は「訪問査定」の依頼をしましょう。 また、査定は1社だけではなく複数社に依頼をするのもポイントです。 1社の査定では、その金額が妥当かどうか判断できません。 2~3社程度を比較することで、査定結果が適正かどうか判断をすることができます。 「アパートの査定方法」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 関連記事 収益物件の3つの査定方法を解説!アパートなどの不動産を高値で売却するポイントを解説 【ステップ③】媒介契約を締結する 売主様がやること 目安期間 媒介契約書の内容を確認し、署名・捺印をする 1週間 不動産会社と媒介契約を締結します。 「媒介契約書の内容を確認し、署名・捺印をする」ことについて解説を見る 媒介契約書の内容を確認し、署名・捺印をする 媒介契約には「一般」「専任」「専属専任」の3種類があり、それぞれルールが異なります。 どの契約を選んでも、最終的に支払う仲介手数料の金額(成功報酬)は変わりません。 【媒介契約の種類と特徴】 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介 複数社との契約 ○可能 ×不可 ×不可 売主が発見した買主との取引 ○可能 ○可能 ×不可 ※不動産会社の仲介が必要 契約期間 原則なし 3ヵ月以内 3ヵ月以内 レインズ(※1)への登録 任意 必須 契約から7日以内 必須 契約から5日以内 販売状況報告 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上 向いている人 駅近や築浅など、優良物件を持っている人 築古など売れにくい物件を持っている人 築古など売れにくい物件を持っている人 ※1:レインズ(指定流通機構)とは、不動産会社間での物件情報交換システムです。ここに登録されることで、全国の不動産会社が物件情報を閲覧できるようになり、買い手が見つかりやすくなります。 媒介契約の選び方は、物件の所在地、築年数、入居率、さらには「いつまでに売りたいか」という売主様の事情によって左右されます。 以下、一般的に各媒介契約の「向いているケース」を紹介します。 「一般媒介契約」が向いているケース 優良物件を売却したい 間口を広げ、より多くの買主にアピールしたい 複数の不動産会社とのやり取りが、苦にならない 「専任媒介・専属専任媒介契約」が向いているケース 築古や地方物件など、売却に戦略的な工夫(リフォーム提案や積極的な広告)をしてほしい 窓口を1つに絞り、プロのサポートを受けながら売却したい 売却活動を不動産会社に任せたい 例えば、「買い手のつきやすい都心の好立地なら、広く募る一般媒介」、「築古で買い手がつきにくい物件なら、広告費をかけ、しっかりとアピールできる専任媒介や専属専任媒介」といった判断が必要です。 契約内容に問題がなければ、署名・捺印し、締結します。 「売れにくい物件の特徴」や「築古アパートの売却」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 関連記事 アパートなどの収益物件が売れない7つの理由!物件売却する時に知りたい対処方法を解説 老朽化したアパート・一棟マンションを売却する方法 【ステップ④】売却活動と条件のすり合わせをする 売主様がやること 目安期間 現地確認(内覧)の立ち会いを行う 条件のすり合わせを行う 1~3ヵ月 ※売却できるまで ポイント 1ヵ月経っても問い合わせがない場合は、売却予定価格を下げることも視野に入れること 媒介契約を結ぶと、不動産会社による売却活動が始まります。 主な売却活動は下記のとおりです。 不動産会社のポータルサイトへの物件登録 自社で抱えている投資家顧客への直接紹介 広告チラシの作成 など 売却開始から1ヵ月以上経っても問い合わせがない場合は、物件写真の再撮影や売却予定価格を下げることなど、売れるための施策が行われます。 「現地確認(内覧)の立ち会いを行う」ことについて解説を見る 現地確認(内覧)の立ち会いを行う アパート売却の場合、買主は「利回り」だけでなく「管理状態」を厳しくチェックします。 現地確認で主に見られる箇所は、下記のとおりです。 【現地確認(内覧)で見られる箇所】 確認箇所 チェックされる主な内容 外観 外観や屋根のひび割れ 塗装の剥がれ 屋上の防水状態 共用部 廊下やポストの汚れ ゴミ置き場の清掃状況 駐輪・駐車場の利用状況 室内 全体的な部屋の綺麗さや匂いの有無 壁紙や水回りの清潔感 リビングや玄関の収納状況 バルコニーの状態 設備(エアコン・給湯器)の型番 その他 日当たり 周辺の騒音 近隣トラブルの有無 入居者がいる「オーナーチェンジ」の場合は、室内は見せず、外観や共用部の確認のみが一般的です。ただし、空室がある場合は必ずチェックされるため、清掃や換気を徹底しておきましょう。 管理が行き届いている物件は良い印象を与えられます。 「条件のすり合わせを行う」ことについて解説を見る 条件のすり合わせを行う 購入希望者が現れた後、条件のすり合わせを行います。 主に下記条件について話し合われます。 話し合われる条件 価格 引き渡し時期 賃貸契約、敷金の引継ぎ方(入居者がいる場合) 双方が条件に合意した段階で、次のステップである「売買契約の締結」へと進みます。 【ステップ⑤】売買契約を締結する 売主様がやること 目安期間 重要事項説明への立ち会い(内容確認)と署名・捺印を行う 売買契約書への署名・捺印と手付金の受領を行う 仲介手数料の半金を支払う 条件合意後1週間 ポイント トラブルを未然に防ぐため、疑問点はすぐに不動産会社や専門家へ相談すること 契約内容と実際の物件の状態が異なる部分がないようにすること 物件の売買契約を行います。 「重要事項説明」が行われた後、契約書を交わし、手付金を受けとる流れとなります。 必要な持ち物は下記のとおりです。 売買契約当日の持ち物 本人確認書類(運転免許証など) 印鑑証明 実印 登記済権利証(登記識別情報) 収入印紙、または収入印紙代 仲介手数料の半金 「重要事項説明への立ち会い(内容確認)と署名・捺印を行う」ことについて解説を見る 重要事項説明への立ち会い(内容確認)と署名・捺印を行う 売買契約を交わす前に、宅地建物取引士から買主に対して「重要事項説明」が行われます。 「重説(じゅうせつ)」と略されることもあります。 「重要事項説説明」とは、物件の状態や権利関係、法令上の制限などが記載された書類です。 説明にかかる時間はおよそ1~2時間程です。 内容を確認し、問題なければ売主様・買主両名が署名・捺印を行います。 「売買契約書への署名・捺印と手付金の受領~仲介手数料の半金を支払う」ことについて解説を見る 売買契約書への署名・捺印と手付金の受領~仲介手数料の半金を支払う 売買契約書を取り交わした後、売主様は 買主から手付金(売買代金の5~10%が相場)の受領 不動産会社へ仲介手数料の半金の支払い を、それぞれ行います。 売買契約を締結した後は、一方的な都合で解除することが難しいです。 契約内容の詳細を確認し、疑問点があれば不動産会社や専門家に相談することで、トラブルを未然に防ぐことができます。 注意事項:「契約不適合責任」 売買契約で約束した内容(物件の状態など)と実際に引き渡された物件で異なる部分が発生した場合、売主が買主に対して負う責任のことです。 例えば、「雨漏り」や「付帯設備の故障」があげられます。 たとえ欠陥や不備を売主が知らなかった場合でも、契約に合っていなければ対象になります。修繕費などの支払いが発生するため、注意が必要です。 【ステップ⑥】決済・引き渡しを完了する 売主様がやること 目安期間 残代金の受領を行う 固定資産税・家賃の精算をする 所有権移転登記をする 鍵・書類の引き渡しを行う 1~2時間程度(当日) ポイント ローンが残っている場合は、残代金で全額繰り上げ返済をすること 残り代金の決済と、物件の引き渡しを行います。 決済・引き渡しで必要な持ち物は下記のとおりです。 決済・引き渡しで必要な持ち物 本人確認書類(運転免許証など) 印鑑証明 実印 権利証、または登記簿謄本 固定資産評価証明書 預金通帳 住民票 「残金代の受領~鍵・書類の引き渡し」について解説を見る 残金代の受領~鍵・書類の引き渡し 買主の指定する金融機関に集まり、決済を行います。 決済から引き渡しまで、具体的な流れは下記の通りです。 残金代の受領~鍵・書類の引き渡しの流れ 残代金の受領:手付金を除いた売買代金の全額を受け取る 固定資産税・家賃の精算:引き渡し日を境に、日割りで計算して精算する 所有権移転登記:司法書士が立ち会い、所有権移転登記の書類を確認・提出する 鍵・書類の引き渡し:物件の鍵、図面、入居者の賃貸借契約書原本などを買主に渡す もし、物件のローンが残っている場合は受け取った残代金をもとに繰り上げ返済を行い、抵当権の抹消登記も行います。 【ステップ⑦】確定申告をする 売主様がやること 目安期間 利益(譲渡所得)の計算をする 必要書類を準備する 申告書を提出する 売却翌年の3月中旬まで 売却をした翌年に、確定申告を行います。 「譲渡所得の計算~申告書を提出する」ことについて解説を見る 譲渡所得の計算~申告書を提出する アパートを売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税がかかります。 譲渡所得は、ざっくりと下記計算式で求められます。 譲渡所得の計算式 売却価格-(購入時の価格+売却にかかった経費)=譲渡所得 参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」 実際には、建物の価格を計算するには「減価償却」を考慮する必要があるため、正確な計算は税理士など、専門家に相談をすると間違いがありません。 損失が出た場合は申告自体は義務ではありませんが、申告をすることで他の所得と相殺(損益通算)でき、税金が安くなる特例を受けられる場合があります。 参考:国税庁「No.3203 不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合」 選択して下さい 一棟 アパート・マンション・ビル 投資用区分マンション 分譲マンション 戸建 土地