相続した不動産は3年10ヶ月以内に売却した方が良いがいい理由を解説!シミュレーションでかかる税金を計算 カテゴリー:不動産相続の知恵袋 公開日:2023年4月26日 最終更新日:2024年7月25日 「相続した不動産は3年以内に売却した方がいいの?」 「自分が対象の不動産を持っているのか知りたい」 こんなお悩みを抱えておりませんか? マンションなどの不動産を相続した方にとって、相続した不動産をそのまま所有し続けるか?売却して現金にするか?みなさん悩まれますよね? 相続した時点で相続税が課税されますので、売却を検討される方は多いでしょう。 もし、少しでも売却を検討している方がいましたら、3年10ヶ月以内に売却すると譲渡所得税が軽減されることを知っておいてください。 本記事では、相続した不動産が3年以内に売却した方が良い理由や、ご自信が持っている不動産が対象になるかを、シミュレーションしながら確認をしていきます。 目次1 相続した土地を3年以内に売却すると取得費加算の特例によって不動産の譲渡所得税を節税できる2 譲渡所得税の計算方法3 相続税の計算方法4 土地を相続(売却)した際の税金シミュレーション4.1 相続した土地の取得費が分かっている場合4.2 相続した土地の取得費が不明で相続税の取得費加算がある場合4.3 相続した土地の取得費が不明で空き家等の特別控除がある場合5 相続した土地を売却しない場合のデメリット5.1 相続に関するトラブルに発展する可能性がある5.2 維持にお金がかかる6 最後に、 相続した土地を3年以内に売却すると取得費加算の特例によって不動産の譲渡所得税を節税できる 不動産を相続したら先ず相続税がかかります。 そしてその不動産を売却して出た利益に対して譲渡所得税がかかります。 あれ?それって二重課税じゃないの?と思ってしまう方もいらっしゃると思います。 しかし国税としては、相続税と譲渡所得は別物として考えていますので二重課税ではないことになります。 それでも相続税と譲渡所得税の両方が課税されたら、誰でも二重課税と感じてしまうものです。 しかし、実は「取得費加算の特例」というのを受けることによって、譲渡所得税を節税することができるのです。 取得税加算の特例とは、不動産を売却した際の利益から支払った相続税を差引できるというものです。 つまり譲渡所得を支払った相続税分控除できるというものです。 そしてこの特例が受けられるのは相続してから3年10ヶ月以内に売却の契約を締結していることが条件になります。 相続税の申請期限が相続開始から10ヶ月であることから、申請期限の10か月後から3年以内ということなのです。 譲渡所得が2,000万円で相続税支払いが250万円の場合 (通常)譲渡所得2,000万円 × 税率 (特例)譲渡所得2,000万円-250万円 × 税率 となります。 参考:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁 (nta.go.jp) 譲渡所得税の計算方法 譲渡所得とは売却した金額から取得費と購入時の経費と売却時の経費を差し引いて残った利益のことを言います。 そして譲渡所得の税率は所有年数によって変わります。 所有期間5年以下は「短期譲渡所得」と言い、税率は約40%になります。 所有期間5年以上は「長期譲渡所得」と言い、税率は約20%になります。 相続税の計算方法 基礎控除額 3,000万円+法定相続人×600万円 課税価格 1,000万円以下 10% 控除無 3,000万円以下 15% 50万円控除 5,000万円以下 20% 200万円控除 1億円以下 30% 700万円控除 2億円以下 40% 1,700万円控除 3億円以下 45% 2,700万円控除 6億円以下 50% 4,200万円控除 6億円以上 55% 7,200万円控除 非常に高いですね、、、 土地を相続(売却)した際の税金シミュレーション ここでは以下の3つの場合に分けて、土地を相続した際の税金のシミュレーションを見ていきます。 相続した土地の取得費が分かっている場合 相続した土地の取得費が不明で相続税の取得費加算がある場合 相続した土地の取得費が不明で空き家等の特別控除がある場合 それぞれ順に見ていきましょう。 相続した土地の取得費が分かっている場合 相続した土地の取得費が分かっている場合の税金のシミュレーションをご紹介します。 ここでは以下の条件の下で、税金のシミュレーションを行います。 ・購入価格 / 土地:3,000万円 / 建物:2,000万円 ・購入時経費:200万円 ・譲渡価格:7,000万円 ・売却時経費:200万円 まず、取得費を計算します。 取得費=3,000万円+2,000万円+200万円=5,200万円 これらより、算定に当てはめると以下のようになります。 譲渡所得=7,000万円-(5,200万円+200万円)=1,600万円 以上の結果より、譲渡所得は1,600万円となります。 この1,600万円に対して長期所有の税率が適用され、譲渡所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%がかかります。したがって、譲渡所得税(復興特別所得税を含む)2,456,000円、住民税800,000円、と算定されます。 相続した土地の取得費が不明で相続税の取得費加算がある場合 相続した土地の取得費が不明で相続税の取得費加算がある場合の税金のシミュレーションをご紹介します。 ここでは以下の条件の下で、税金のシミュレーションを行います。 ・購入価格:不明 ・相続税の取得費加算:200万円 ・譲渡価格:3,000万円 ・売却時費用(解体費用含む):300万円 購入価格が不明であるため、取得費は概算取得費の制度を利用して計算します。 取得費=3,000万円×5%=150万円 したがって譲渡所得は、下記のようになります。 譲渡所得=3,000万円-(150万円+200万円+300万円)=2,350万円 この2,350万円に対して長期所有の税率が適用され、譲渡所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%がかかります。したがって、譲渡所得税(復興特別所得税を含む)3,599,025円、住民税1,175,000円、と算定されます。 相続した土地の取得費が不明で空き家等の特別控除がある場合 相続した土地の取得費が不明で空き家等の特別控除がある場合の税金のシミュレーションをご紹介します。 ここでは以下の条件の下で、税金のシミュレーションを行います。 ・購入価格:不明 ・空き家等の特別控除:適用あり ・譲渡価格:4,000万円 ・売却時費用(解体費用含む):300万円 購入価格が不明であるため、取得費は概算取得費の制度を利用して計算します。 取得費=4,000万円×5%=200万円 したがって譲渡所得は下記のようになります。 譲渡所得=4,000万円-(200万円+300万円)-3,000万円=500万円 この500万円に対して長期所有の税率が適用され、譲渡所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%がかかります。したがって、譲渡所得税(復興特別所得税を含む)765,750円、住民税250,000円、と算定されます。 相続した土地を売却しない場合のデメリット ここでは、相続した土地を売却しないデメリットを以下の2つご紹介します。 相続に関するトラブルに発展する可能性がある 維持にお金がかかる それぞれ順に詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。 相続に関するトラブルに発展する可能性がある 相続した土地を売却しないと、相続に関するトラブルに発展する可能性があります。 不動産は現金とは違い、分割が難しいところがトラブルになりやすい原因として考えられます。 例えば、長男と次男で遺産分割を行う場合に遺産の価値が異なる時、どちらに分割するのかでトラブルになることがあります。 しかし、土地を売却して現金化することで、法定相続に基づいて公平に分割することができます。 相続に関するトラブルを避けるためには、土地を売却することで公平に分割して対応することが必要とされます。 維持にお金がかかる 相続した土地を売却せずに保有していると、固定資産税などの維持費がかかってきます。 例えば、賃貸物件として収益化することで、継続的な出費を防ぐことができます。 所有していても、活用方法が見当たらない場合は、維持費を軽減させるためにも売却することを考えるのも良いでしょう。 最後に、 相続税を取得費に加算させることによって支払う税金額が大きく変わりますから、相続した不動産は「取得費加算の特例」が使える期間内の3年10ヶ月以内に売却するのが望ましいでしょう。 不動産の売却をご検討中の方は、ご所有の不動産がどのくらいの価格になるのか知ることから始めてください。 物件調査・査定は完全無料になりますので、お気軽にご相談ください。 スタッフ一同心からお待ちしております。 この記事のキーワードマンション売却 査定 相続不動産 譲渡取得